「結局論理的って何やねん?」、「どんな枠組みでエントリーシート書けばいいの?」という質問が多かったので、フレームワークを作ってみました。
キャリ窓式では「文章の構造分解」をしてから各項目チェック&組み替えという流れが基本なのですが、「結局この順番になってるよね」ということが100以上のES組み換えを通して見えてきたものを今回カタチにしたものです。
※キャリ窓式就活セッションはこちらから
いろいろ勉強していくとPREP法とSTAR法の組み合わせだと気づいたので、PSTARC法と呼んでいます。
特に課題解決型のガクチカには決定版と言えるのではなかろうかと自負しています笑
フレームワークは便利だけど危険
ガクチカで悩んでいるみなさん。フレームワークは武器になりますが、使い方によってはあなたを攻撃する武器にもなります。
このフレームワークは就活生の方のES作成を助けたくて書いているので、落とし穴に落ちないように注意点を先に説明します。
ちなみに、フレームワークは最後にまとめて載せてるのですが、ちょっと待ってください。5分もかからないので、我慢してこの記事を最初から丁寧に読むことをお勧めします。
今8割くらい書いたところでここ追加してるんですけど、この記事、フレームワークよりフレームワークを扱う部分のほうがほとんどの就活生に役立ちます。
ネットで情報収集して効率的にES書いてるつもりの人
発明したガクチカフレームワークを紹介する文章でいきなりなんですけど、フレームワークに頼るのは危険です。
理由2つあります。
- 内容が大したことなくても何となくいい感じに見える
- テンプレートに沿って書いてしまうことで重要なポイントが省かれる
内容が大したことなくても何となく流れがいいので、チェックする能力のない就活生は満足しがち。
「何かいい感じじゃない?ふふふ」ってなってしまう場合が多く、この症状が進むと、「何がいけないんだよう」ってなりがちです。
自分&下手な添削者(へぼい業者とか友だち、先輩とか)もテンプレートの魔力に騙されるんですけど、たぶん人事は騙されないということが一番怖いですね。
書けばいいことがテンプレートで決まっているので、自分の頭で考えずさらさら書き流しがちなところも大きな落とし穴。
けっこう研究熱心なタイプが陥りがちなのは特筆すべきかなと思います。
内定者ESのへたくそなパクリ方とか、テンプレートで何とかしようと思いがちな”効率”重視の学生だという自覚がある人は特に気をつけるようにしてください。
まあそういうタイプの人はこのへん読まずにフレームワーク書いてあるところに飛んでると思いますけどね…笑
一周まわって超非効率になってますよ
一般的な問題のロジックはイコールの妥当性がキモ
ロジックというと”ロジカルな話し方、文章”など、枠組みを考えてしまう就活生が多いんですが、たぶん間違ってます。
どちらかというとロジックにおいて重要なのは”妥当性”だと考えておくといいですね。
ロジカルってすごく単純に言うと下記です。
A=B、B=C、よってA=C
数学だとA=Bはイコールよりも、それをどうつなげるかが重要ですけど、残念なことに一般的な問題はA≒Bであり、B≒C、よってA≒Cなんですよね。
この≒(ニアリーイコール)をいかにイコールに近いように妥当性のある説明をできるかが重要なんです。
フレームワーク使った失敗例
例えば今回紹介しているフレームでいうとこんな感じ。
- 概要(結論):コミュ力でチームの勝率を3割上げた
- 状況:チーム内が割れて勝率が低かった
- 課題:課題はコミュニケーション
- 行動:話しかけたり飲み会したりして仲良くなった
- 結果:勝率3割アップ
- 経験を活かして貴社でも活躍する
これ、フレームワークにガクチカを組み合わせた物なのですが、ツッコミどころが多すぎます。
そもそもコミュ力でチームの勝率を上げること自体に無理があるのですが、それでいく!というのであれば、概要(結論)部分以降で納得できるように書く必要があります。
とりあえず「チームの勝率を上げること」を目指しているとすると…
- 原因仮説:本当にチーム内が割れていたことが勝率低い原因なのか?
※「それは勝率に影響するよね」とみんなが思う「チームが割れているせいで勝率が低い」ことへの状況説明が必要 - 課題設定:課題はコミュニケーションなのか?
※「確かにそれはコミュニケーション取ることで解決できるよね」とみんなが納得する説明が必要 - 行動:コミュニケーション課題を解決するために話しかけること、飲み会することは有効なのか?
※話しかけと飲み会で勝率を上げるレベルまでコミュニケーションが上がるかどうかの納得感が必要 - 結果:「話しかけたことと飲み会したこと」で勝率上がるレベルになるのか?
※結果はでっち上げがちなので注意、ちょっと無理があると感じたらそれは他人には3倍増しで無理です
こんな感じで前提の上に前提を重ねていくわけですが、フレームワークは”上手く重ねる”役には立つものの、それぞれの前提の妥当性には関わらないんですね。
こんな感じで一つずつ納得感、妥当感を積み重ねていくことが”ESにおけるロジックのキモ”です。
これ、説明どうするかも重要なんですけど、アプローチ自体が「それは納得できるよね。妥当なアプローチだよね」という感じがないとそもそも台無しなんですよね…。
結論としては、フレームワークで読みやすくはなるけど、最重要な”妥当性”には関係ないよ(泣)ということです。決してこのフレームワークに頼って内容の妥当性に手を抜かないようにしてください。
課題解決型ガクチカフレームワーク
下記にフレームワークとそれぞれの要素で注意すべき点はまとめておきます。
これ、この記事のどこにするのが就活生の皆さんのためになるか、めちゃくちゃ悩みました。
スタンダードな感じだと最初に決まってるんですけど、先述したように”フレームワークだけみて重要な部分を逃す就活生”ができるだけ少なくなるように一生懸命考えて、最後にしました。
フレームワークや内定者ESパクりのせいで実力以下のESになってしまう就活生の人って多いんですよね…。ここまで読み飛ばしてきた方、ラストチャンスです。
フレームワークより大切なことを前半部分で書いてますので、思い切って戻ってちゃんと読んでください。
たぶん5分もかかりませんので…。ちなみに前半飛ばしてみるくらいなら、このフレームワーク使わない方がいい文章書けますよ。たぶん…。
- 概要(リード文): ○○で○○を発揮して結果を出した経験がある。
文章全体の道すじを示すことで本文を読み進めやすくする(リードする)
シンプルな状況説明&発揮した能力と端的な結果 - 状況:こういう状況だった。
自分の集団内の特殊な言葉など相手に伝わるかどうか注意 - 課題(仮説)設定:ここに目をつけて(課題があると)考えた。
課題設定は妥当性がキモ。※ボトルネックが本当にそこかどうか - 行動:こんなアプローチした。
行動の中の苦労も書けると〇。アプローチ方法も妥当性がキモ。※課題に対して最適なアプローチなのかどうか - 成果:結果、こういった成果&学びを得た
納得感、説得力がキモ。計量的な成果を書けると伝わりやすい&仕事できそう!
状況、課題、アプローチと成果とのロジックがつながっているかどうか要チェック - 貢献:この経験をこう活かして貴社でも貢献する!
面接官に「こういう業務で活きそう!」と思わせる※現場レベルの業務理解がベース
- フレームワークに頼るのは危険
- 文章の問題が分かりにくくなる
- フレームに従って書き進めることで重要なポイントが省かれる
- ESのロジックは妥当性が重要
- 各要素の内容、つながりに妥当性はあるか
- フレームワークを使うと読みやすくなるがロジカルになるのとは別
- フレームワークは最重要な妥当性には関係しない